
Nikera BellyDance Salon|
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[1/7更新] NIKERA イベント情報
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Turan to Luxor 〜トゥランからルクソールへ〜 作品解説
前作からエジプトを舞台としたプロット(脚本の設計図)を書き始め2作目となる(*1)「トゥランからルクソールへ」
は、紀元前3200年頃の古代エジプトに起こった最初の統一王朝を題材にその誕生の秘話を描いた歴史物語となる。
一般的なベリーダンスは、レストランやライブハウスで見ることが多いと思うが、劇場版では、照明や幕、ステージの大きさ
による遠近感から観客とステージの間に大きな隔たりが生じる。その為に踊り手の細かい動作表現は伝わりにくく、即興的表現も
あまり印象に残らない。逆に舞台全体の構成力やストーリーに応じた場面展開の方がクローズアップされ、そこにミスでもあれば
出演者どころかスタッフを含めて評価は下げられ、上演作品の内容そのものが問われる。
最初から、そうした厳しいボーダーラインを引いた上での(*2)リブレット作りは、かなりの時間と根気を必要とする作業だった
が、幸いなことに、昨年の公演終了後、鶴岡から乗った深夜の東京行き夜行列車の中で、エピソード4のアイデアを思いつき
狭い寝台机の上で書き留めたプロットの概略があったので、メインテーマとなるタイトルと主旋律は、すぐに出来上がった。
後は、この上に各場面に応じた展開をさせるための(*3)シーケンスを作れば、早々にプロットを書き上げプロジェクトをスタート
させるつもりでいた。ところが、いざ古代エジプト史を紐解いてみると、物語をデフォルメして行くのに必要なエジプト統一にまつ
わる話は、皆無と言っていい程、存在しなかった。それどころか、唯一の話となるはずだった初代ファラオの(*4)ナルメルパレット
でさえ「後の時代に書かれたもの」という説があって、王朝誕生秘話の作品化は、無謀な賭けと言わざるを得なかった。
無理もない、紀元前3200年頃のエジプトは、碑文どころかまだカルトーシュや壁画も存在しなかった時代である。漠然とした砂漠
が広がるエジプトの大地に、豊かな流れを持ってナイル川が静かに笑っている。謎のまま埋もれてしまった偶像を再び掘り起こし
(*5)オシリスとなったプロットを書き上げるまでに、膨大な数の考古学的資料を読まなければならなかった。
そうした気の遠くなるような毎日が一年程続き、ようやくそれらしきものを見つけた出したのは
… 冬将軍 長き桜の 春遅し … 今年四月上旬のことである。
それは紀元前4000年頃の遺跡に残された、次の僅かばかりの創世神話であった。
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Ogdoad of Khmunu
Nun and Naunet the primeval waters; Heh and Hauhe eternity; Kuk and Kuake darkness; Amun and Amaune air;
…以降省略…
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それはエジプトに王朝が誕生するよりも遥か昔のこと まだ人と獣が、共に自然の中に暮らしていた頃の神話である
世界は「暗闇の水」と「彷徨うカオス」から始まった カオスには「クムヌ」と呼ばれる八の都が在った
四つの顔を持つ「蛙の男神」と「蛇の女神」の八神がいた 水の丘の上には、神々の卵があった
その卵から「光の鳥」が産まれた そして鳥は、太陽神ラーとなって、この世界とすべてを創った
今回の舞台の中心となるのは、エジプトのカイロから地中海側へ広がるナイル川下流域で「肥沃な三日月」として知られるデルタ
地帯である。
古代から地中海沿岸を通っての交通網が発達し交易交流が盛んであった為、支配権を巡っての争いが耐えない地域でも
あり、また食人文化を持つ先住民族の踊りも(*6)女神マアト(或いはモウト)の「天秤と羽」の神話などに残され、古代オリエント史
を語る上でもたいへん重要な地域となっている。
さらに公演用のプログラムは、旧約聖書や古代バビロニアの楔形文等の記述も加え、エジプト文明以前の創世神話を基に制作され
プロローグも、このデルタ一帯を古王朝時代の「死者の書」に書かれた「オシリスの恵み」と「永遠のセケトへテプ(平和の野)」
「暗闇の水」と「彷徨うカオス」を持った四層の空間エーテルとして「響きホール」全体を使って表現し
そこに現れる「水の丘」「ラーの卵」は「胸十字の紋章」と「タウトクレセント(トト神殿都市)の太陽と月」の象徴として
「円形太鼓と三日月の剣」の比喩で描かれる。
そして7200年前のエジプトに何が起こり、王朝へ至ったのかという歴史物語は、今日ここに楽劇舞踊という新たな形を持って始まる。
それがオリエンタルオデッセイ エピソード4「Turan to Luxor」なのである。
20101113 一朱